想定外 後編
2008年 02月 01日
僕:「きっと恋をしているからでしょう。」
その後、講師の先生(女性)は何と言ったと思います?
僕は叱られたと思いますか?
逆でした。
先生:「すばらしい答えです!!」
(゚Д゚;) は!?
先生:「私が言いたかったのは、対象の高齢者を『高齢者』という
限定した概念で見てはいないか、ということなんです。」
(・∀・;)えーと・・・。
先生:「相手は『高齢者』である前にひとりの人間なんです。
私たちはついつい『高齢者だから』という目で見てしまいがちです。
でも高齢者だって人間なんですから、我々と同じなんです。」
(゚―゚;)あれ、なんだこの展開は・・・。
先生:「栄養というものは、ただバランスだけを考えていてはいけません。
まず食欲を持って食べることが全ての始まりです。
なので、食欲がないという事態をどうにかするのが一番大事なんです。
高齢者が食欲をなくすと、我々は『高齢者だから』という目で
ついつい身体的な部分にばかり考えがちです。
でも、高校生の頃、恋をして何も食べたくない、なんて
みなさんにも経験ありませんか?
高齢者だって人間なんです。恋だってするかもしれません。」
( ̄▽ ̄;)・・・。
先生:「私もそういう答えは出ませんでした。
そういう意味では私もまだ『高齢者だから』という
目でしか見られてなかったんです。大変いい答えです!」
意図したものとは全く別な方向へ行ってしまいましたが、
結果オーライってことか!?(笑)
そして、数ヶ月後。
ある用事があって、その先生が所属する施設に行きました。
用事の相手と会って話していると、
「あ、こんにちは!」
例の先生です。
先生:「お見かけしたもので!研修会のときはありがとうございました!」
僕:「いえいえ、こちらこそお世話になりまして。」
先生:「あのときの答え、あれからいろんな講演や
講義で使わせてもらってるんですよ!」
僕:「(゚Д゚;) え…まさか…。」
先生:「あの『恋をしているからかもしれません』ですよ!」
(゚Д゚;) ぎゃーす。
そんなベタベタに誉められた上に、他のところでも活用してるって!?
本人の意図が「ウケねらい」という不純なものだっただけに
もう苦笑いするしかありません。
きっとこの先生はこれからも、
いや生涯このネタを使い続けるのではないかと思うと
何だか申し訳ないような、よかったような。
ま、いっか(苦笑)。