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オタクリーマン“DiO”の奇妙な日常


by dio-w21
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第一発見者

暑いですねぇ。
あれは僕がまだ大学一年生の頃。
あの夏も暑かったです。
2浪してやっと大学に入って、まさか次の年には
留年の憂き目に合おうとは微塵も考えておらず、
まだ希望に燃えていた頃のお話。

大学一年ですから当然僕だけではなく、
周りの連中もおおはしゃぎであります。
そんな夏の夜。
僕のアパートに電話がかかってきました。

「オイ、花火やるぜ!来いよ!」

僕は当時、大学からかなり遠目のところに
住んでいましたが大喜びで馳せ参じました。
自転車をもりもりこいでも3,40分はかかる距離ですから
ほとんどが大学周辺に住む他の友達は既に集まっている状態でした。
僕の大学がS幌市の中心にありながら
広大な土地を有していましたので、
校舎のちょっと裏まで行けばうっそうとした森もあるくらいでした。

そこの森を抜けてさらに裏手の運動場で花火を楽しみました。
そして残るは大量の花火の燃えカス。
このゴミをどうするかと話合ったとき、誰かが言いました。

「あそこの森の中で燃やしてしまおうか?」

確かに森の中で燃やしてしまうなど非常識極まりないですが、
うっそうな森と言ってもあくまで人工的な林ですから、
木々の間にある空き地のような場所で燃やせば
山火事のような危険性も低い、と当時の僕らは思ったわけです。
そこでわいわいと森へ向かったのですが、
それは本当に原生林なのではないかと思うほどうっそうとして
不気味に静まりかえっていました。
その日は日曜日でしたので、大学もお休みですし
本当にお化けでも出そうな雰囲気でした。
しばらく進んでみたものの、あまりにうっそうとした雰囲気に

「やっぱりやめようか?」

ということになりまして、結局花火のゴミは最も近隣に住む友人が
まとめて処理することになったのです。
そうして花火は終わって解散することと相成ったのですが、
問題はその次の日、月曜日になってからです。
とあるニュースが飛び込んできました。
それはかなり衝撃的なものでした。

「森の中で首吊った学生が見つかったってよ!」

それは、その森の奥にある学生寮にすむ上級生でした。
どんな悩みかしりませんが、彼は死を選びそして首を吊ったのです。
しかも死後2,3日経っているということでした。
つまり、僕らが森の中にがさがさ入ったとき、
そこには彼がいたのです。
ぶらーん、ぶらーん、と。
もしかしたら僕らはすぐ横を通っていたのかもしれません。
危なく第一発見者になってしまうところでした。

あの時感じた森の中の不気味な雰囲気は
気のせいではなかったかもしれません。
それにしても自分達が見つけたかもしれないことを思うと
ホントにぞっとします。
たぶん一生忘れられない思い出になったことでしょう。

トラウマともいうかもしれませんが。
((((゚Д゚;))))ガクガクブルブル・・・
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by dio-w21 | 2004-07-31 17:04 | 少し不思議なお話 | Comments(0)