入院ものがたり その3
2004年 05月 15日
24時間連続の点滴体制。
昼も夜も寝ているだけ。
だって気持ち悪いんですもの。
TVを見ることも本も見られません。
っていうか食べ物も食べられません。
とにかく寝ているだけ。
でも目を閉じていても吐き気は容赦なく襲ってきます。
立つことすら中々ままなりませんが、
車いすで運ばれて検査室で検査を受けました。
その中のひとつにあった平行機能検査。
アイマスクをしてその場でしばらく足踏みをして下さいというもの。
しばらく足踏みをした後、アイマスクをはずしていいよと言われたので
確認すると僕はもとの足の位置より若干右斜め前の位置でした。
「DiOくん、どうやって今いるところに来たかわかる?」
どうやっても何も足踏みして少しズレて
この位置に来たんじゃあないんですか?
でもお医者さんや看護婦さんはちょっと苦笑いをしています。
「DiOくんね、右回りで一回転ちょっとしてそこまで行ったのよ。」
(゚Д゚;)三(;゚Д゚)マ、マジ,!?
う、ウソでしょ!?これってドッキリ!?
僕はその場で足踏みをしているつもりだったのですが、
なんと少しずつ回転してその場でほぼ一回転していたのです。
そのくらい僕の平行機能は狂ってしまっていたのです。
目隠しをされてくるくるその場で回り続ける僕。
まるでバカっぽい。うへぇ。
その頃、僕が突然いなくなってしまった税務課は
凄惨を極めていたそうです。
それも無理からぬことかもしれません。
僕は自らの担当以外にもかなりの部分で業務を請け負っていた上に
これから本番を迎える評価替えをする人がいません。
ガンダムで言うなれば、最終決戦ア・バオア・クーで
いきなりアムロがぶっ倒れたようなもんです。
周りはカイ・シデンのような怠け者やまだ税務課の日が浅い新兵ばかり。
いや、僕も十分新兵なハズなんですが、
民間人なのにガンダムに乗らされたアムロのように
いきなり最前線に送り込まれて鍛えられていたのです。
お役所ですから、できないなんてことは許されません。
アムロがいなくても最終決戦を乗り切らなくてはいけないのです。
カイ・シデンさすがに目が覚めるってなもんです。
もちろん嫌なひとばかりではありませんでしたので、
ミライさんのように優しい方もいましたからその方たちには
すっごい迷惑かけたなーっと今でも思います。
でもそのカイ・シデンにはこう思いました.。
ざまあミロ!と。(笑)
24時間体制の点滴の甲斐があり、
だんだんと気づかないようなゆっくりなペースでしたが、
平行機能は回復していきました。
徐々にTVや本も見られるようになり、
食事もできるようになっていきました。
そんな元気になってきたある日、ある若い看護婦さんは言いました。
「実はあたし、DiOさんのこと知ってるの。」
Σ(・ω・ノ)ノ なんですと!?
つづく